猫に歯磨きが必要ってホント?!やらなくてもいいんじゃない?
猫に限らず、犬にもいえることだとは思うのですが、「歯磨き」をあなどるなかれ。
人間が歯垢や歯石がたまってしまうように、猫ちゃんにも同じことがおこりえます。
ちなみに、みなさま人間という生き物は、大半が毎日歯磨きをしますよね?
それでも3ヶ月に1度、など定期的に歯石取りに歯医者さんへ通っている人もいるのではないでしょうか?
それなのに、ちゃんと歯磨きしていてもなぜか蓄積される歯石。
歯垢や歯石を放置していると、いつの間にか、歯茎が衰え歯槽膿漏に・・・
人間の世界では、こんな話もよく耳にする話です。
「歯石の放置で歯槽膿漏に・・」コノ話って猫も一緒みたいですよ。
歯周病になった猫ちゃんは、お口の中が痛くてご飯が食べられなくなったり、進行すると内臓疾患の原因にもなったりしてしまうそうです。
それらを防ぐためにも、今日からできることを1つずつ試していってみましょう!
猫の歯垢や歯石がたまる原因は何?予防に効果的な方法は?
口腔内に残る「食べかす」と「細菌」の繁殖が原因
基本的に、餌は丸呑みするのがネコの食べ方の特徴と言われています。
(そうは言っても、うちの子はドライフードをガリガリするのが好きですけどね)
なので、「猫に歯磨きなんていらない!」という説もどうやらあるようですが、ホントかしら?
どうしても食べ物のカスはどうしても歯の表面に残ってしまうと私は思うのですがね。
一般的に、猫の歯垢や歯石の原因とされているのは、歯の表面についた食べかすを餌に増殖した細菌と言われています。
歯垢や歯石の蓄積に関係している細菌はなに?
ストレプトコッカス菌 | 口腔内で最も一般的な細菌の一つで、糖分を代謝して酸を生成。 この酸が歯の表面を侵食し、歯垢の原因となる。 |
ポルフィロモナス菌 | 歯周病を引き起こす代表的な細菌で、歯茎の炎症や出血、 歯を支える骨の破壊に関与する。 |
猫の口腔内で歯垢や歯石の蓄積に関係している主たる細菌は、上記に挙げたストレプトコッカス菌(Streptococcus)やポルフィロモナス菌(Porphyromonas)。
これらの細菌は口腔内に自然に存在していてはいるものの、歯垢が溜まることで数が増え、歯周病やその他の健康問題を引き起こすそうです。いわゆる悪玉菌というやつですね。
具体的にどのようなことが起きているのかというと・・
- 猫の口腔内にある食べかすをストレプトコッカス菌が分解し、酸を生成する
- 酸が歯の表面に作用し、粘り気のある歯垢(プラーク)が形成される
- 膜状の歯垢は細菌増殖の温床となる
- 歯茎の縁にストレプトコッカス菌等が増殖し、炎症を起こす(歯肉炎)
- 歯垢が数日放置されると唾液のミネラルと結びつく
- 歯垢が硬化して歯石に変わり、歯周ポケットの深いところにも形成される
- 歯石の表面は荒いため、さらに細菌が付着しやすくなる
- ポルフィロモナスが歯茎の深い部分で繁殖する(モナス菌は低酸素状態でも生きる嫌気性菌)
- ポルフィロモナス菌が毒素や酵素を分泌し、歯を支える組織を破壊する。
- 歯周ポケットは更に深くなり、細菌類はさらに深い場所で繁殖を始め、歯周病が進行する
- 口臭や歯の痛み、食欲不振などの症状が現れる
- 歯周組織が破壊され、歯が抜け落ちる場合もある
- 細菌類が血流に乗って全身に広がると、心臓や腎臓などの臓器に悪影響を及ぼす場合もある
歯垢は24時間で形成
歯石は3日〜7日で形成
歯についた食べかす+細菌 → 歯垢 → 歯石(取れない!)
さぁ、ここまで読んだら、猫ちゃんの歯を守るためにすることは、見えてきましたよね?!
3日以内の歯磨き敢行です!!
歯磨きの頻度はどれくらいがいいの?
できたら毎日の歯磨き・・・でも、無理なら3日に1度はやってみて
「それができたら苦労しないのよ」
そんな声も聞こえてきそうですね。
私も激しく同意します。
ですが、前段でご紹介した通り、細菌の温床になるプラークは1日以内に形成されてしまうんです。
それをなんとかしたい!
それが無理だとしても、歯石になるのだけは避けたいと思うなら、3日以内に歯磨きをしてあげたいものです。
猫の歯垢を取り除く最も効果的な方法は、【歯磨き】
でも、初めから歯ブラシをお猫様のお口に入れるのは無理無理!
歯磨きの前に!まずはお顔を触るところから始めてみて (without歯ブラシ)
最初は、猫ちゃんの顔に手で触るところからスタート。
お顔に触れられるようになったら、お口周りを触る。
次に、お口をぺろっとめくりあげて口腔内を指で触れる。
ゆっくり少しずつ進めてください。
ただし、以下のことは絶対に守ってくださいね。
お口を触られるのが猫にとって嫌な体験になる前にやめる
「もうちょっとイケるかも?!」と思ってどんどんステップを進めようとすると、猫ちゃんが嫌がっているサインを見落としてしまいがちです。
お猫様が鬱陶しがっているそぶり(しっぽの動きなど)には気を払って、楽しい体験で終わるように心がけてください。
具体的なお口ケア方法
ペット用の歯ブラシ 代用品として人間の子ども仕上げ磨き用の歯ブラシ
もしも、「うちの子、歯磨きイケるかも!!」なんていう奇跡的なご家庭(言い方w)がありましたら、ヘッドの小さな、ペット用歯ブラシがありますよ。
人間の子供用仕上げ歯磨きの歯ブラシも、ヘッドが小さくて代用できると思います。
指に巻きつけるタイプの歯磨きクロス
歯ブラシをお口に入れるのは難しいけど、お口の中を触らせてくれる、という猫ちゃんなら、クロスタイプはどうでしょうか?
子猫ちゃんでお迎えした場合、こういった商品はお迎え先から試供品としていただくこともあるかと思います。ちなみに我が家もクロスタイプの歯磨き商品いただきました。
歯磨きできないならオモチャやオヤツで対応!
歯磨きができる猫ちゃんなんてほんの一握り。(いや、ひとつまみ?)
どんなにゆっくり段階を踏もうがなにをしようが、ほぼほぼ、無理ですよね、歯磨き。
(そのくらいの心づもりで取り組んだ方がいいかと。できればラッキーくらいです)
そんな時には、デンタルおもちゃやオヤツでいいじゃないですか!(何もしないより全然マシ!)
丸呑みが得意な猫様に、歯を使ってもらう、それがデンタルおもちゃです。
かみかみするオモチャはたくさんありますので、いろいろ探してみてくださいね。
ただし、丸呑みしそうなものではないかどうか、よくご確認ください。
ちなみに我が家は、おうちにあった太い綿紐を編んで、釣り糸のようにたらしてかませて遊ばせています。
デンタルおやつもたくさん種類がありますが、うちでおすすめなのが、ソフトタイプのペットキス。
「VOCH」マークがあるおやつには、一定の効果ありとされているものです。
下のデンタライフは、ガリガリと噛み砕いて食べるおやつです。
上記2点は「噛むことで歯垢を落とす」物理的な方法ですが、「食べて体内から」アプローチするおやつもあります。有名なところでデンタルバイツ。口内環境を整えて歯周病を予防する商品ですね。
ただし、
歯の表面には効果があっても、歯のポケットはキレイにはなりません
デンタルおもちゃやオヤツは簡単にできることではあるけれど、歯ブラシには負けてしまうことはお忘れなきよう。
ゴシゴシできるのは、歯の表面だけ
また、おもちゃや、おやつを飲み込んでしまって喉につまらせるリスクも気をつけてあげてください
また、すでに歯肉炎など、炎症を持っている子はそもそもお口が痛くて噛めません。
おやつやおもちゃではなく、病院で対応してもらってください。
飲み水に入れるだけのおすすめは
歯磨きも、おやつも、おもちゃもダメ・・・・・
そんな時には、お水に入れるお口ケアはどうでしょうか?
容器にため置きの水飲みであれば、こちらのような商品と使って口内環境を改善するというのは、いかがでしょうか?
もちろん、歯磨きやおやつなどと併用でもOK
定期的な獣医検診
そして、やっぱり忘れてはいけないのが、1年に1回獣医師さんにみてもらう。これです。
人間と一緒で、日々の歯磨きだけではやっぱりダメなんですよね、どこかで限界がある。
獣医に口腔内をチェックしてもらい、問題が発生する前に対処することも大切ですよね。
計画的なスケーリングも検討する
できれば、定期的なスケーリング(歯石除去)をした方がいいと言われています
ただし、それを行うにも全身麻酔が必須です。
(⚠️ 無麻酔スケーリングは表面をキレイにするだけで、ポケット内までは処置できないそうです。)
歯も大事だけど、麻酔のリスクも心配。
スケーリングの目安 ▶️5〜7歳で1回 ▶️10〜12歳で1回 ※当方獣医師ではありませんので責任は負い兼ねます。スケーリングのスケジュールは必ず各かかりつけ医に必ずご相談下さい
いろいろ集めた情報から、我が家ではこれを目安にしようかと思います。
成猫になって体が安定している7歳までに1度。そして、高齢になって麻酔リスクが上がる前に1回。
高齢な猫ちゃんになって、お口が痛くてご飯が食べられない。
そんな可哀想な老後をおくらせるのは忍びないので。
おまけ 水飲み場に乳歯が落ちていた。ラッキー
子猫時代のことなのですけどね。
飲み水を交換しようとしたら、そこに乳歯が落ちていたのですよ!!!
猫の乳歯って、ご飯と一緒に丸のみしてしまうと聞いていたので、なんてラッキーなんだ!と思って大事にとっておくことにしました♪