これから猫をお迎えしようとしているあなた!
もしくは、すでに猫ちゃんと一緒に暮らしてはいるものの、どうやってご飯を選べばいいのか困っているあなた!!
スーパーでもホームセンターでも、日常的に目にすることが多いキャットフードではありますが、果たしてそれをどうやって選べばいいのか、悩んではいませんか?
キャッチーなパッケージ、いつも見る商品、お手頃な値段、そういったマーケティングにだまされずに、賢い選択をしたいとは思いませんか?
猫ちゃんにとっても、飼い主様にとっても満足できるような上手なフードを選びを学んでいきましょう
日々メインとなるドライフード(普段から食べさせるフード)に関する記事を書いています
【ステップ1】まずは、ライフステージ(年齢)を分けましょう。いつまで子猫でいつから成猫用?
子猫時期(〜0歳)
子猫 (キトン)は 0~1歳 の間をさします
パッケージに「キトンフード」「子猫用」と書いてあるものを選ぶ または「オールステージ」
この時期は成長期で、代謝が高く、身体をつくる大切な時期。
なので、消化吸収がよくて、良質なタンパク質源が必要不可欠
タンパク質の他にも脂肪、カルシウムなどの栄養が豊富なフードを選ぶ必要があります
一方で、
成長期の子猫なのに栄養価が低そうなワードが含まれているフードには要注意
「低カロリー」「〜風味」は避ける
大事な成長期、しっかりと栄養を確保しましょう
0歳で避妊去勢済みの子猫向け
基本的にはキトン用フードのままでOK
避妊去勢後も成長期であるため、通常のキトンフードで必要な栄養(タンパク質、脂肪、カルシウムなど)をしっかりと摂取させることが大切です。
ただし、
避妊去勢によってホルモンバランスが変わり、太りやすくなることがあります。
定期的に体重を測って、カロリー過多になっていなかどうか様子をみましょう。
太りやすさが気になる場合、カロリーが調整された「去勢/避妊後の子猫用」というフードを選ぶのも手。
これらのフードは、子猫の成長に必要な栄養を確保しつつ、過剰なカロリー摂取を防ぐように作られているそうです。
食事の量を減らして、体重増加を抑えようとするのはNGです。
食べていた量を減らすと、猫ちゃんは不満に思って、QOL(生活の質)が下がってしまいます。
摂取カロリーで調整してあげられるように、フードのパッケージをよくご確認ください。
また、ブリーダーさんや獣医師さんによっては、「手術後は成猫用のフードでOKだよ」とおっしゃる方もいらっしゃいます。
ちなみに、うちもそうでした。
成猫用のフードの方が種類も豊富。そして手術後は太りやすくなると聞いていたので、我が家では手持ちのキトン用フードがなくなり次第、成猫用のフードに切り替えていきました。
ご心配な方は、避妊/去勢手術の際に、獣医師に相談に相談してみるといいと思います!
その子猫の体重や成長具合、活動量に基づいて、具体的なフードの種類や量について獣医師に相談するとアドバイスがもらえることもあるかと思います。
成猫時期(0〜7歳)
もしくは去勢後0歳〜7歳まで
成猫 (アダルト)は1歳~7歳 の時期をさします
パッケージに「成猫用」と書いてあるものを選ぶ または「オールステージ」
成長が安定し、エネルギーの消費も落ち着くので、バランスの取れた栄養が必要です。
代謝も落ちてくるので、子猫時代の高カロリーフードでは太りやすくなります。
過剰なカロリーを避けるためにも、適度なタンパク質と脂肪の量が重要。
上段でも挙げましたが、適切なフード(カロリー)を知るためにも定期的な体重測定をおすすめします。
前述の通り、0歳で去勢した猫も成猫用のフードを選ぶ場合もあります。
そのあたりは、ブリーダーさんや獣医師さんにアドバイスをもらってくださいね!
シニア猫(7歳〜)
シニア猫は7歳以上 といわれています
シニア猫、つまりご高齢猫として扱われす。
この時期は代謝がゆっくりになり、消化機能も低下しがちです。
つまり、消化しやすく、また高齢ならではの関節や腎臓の健康をサポートする栄養が含まれたフードを選ぶようになるかと思います。
この頃になると、たんぱく量は抑えて腎臓に負担が少ないご飯をチョイスしていることにもなってきます。
年配猫は腎臓ケア
目安としては、たんぱく質は25〜30%未満。灰分(リンやミネラル分)が低いもの、という選び方になってくるそうです。
ただし、実際はこの頃になると療法食や処方食を食べている猫ちゃんも多くなります。
自分で選ぶよりは、獣医師と相談しながらフードを選んでいくのが現実的なようです
(例)かつてフード選び初心者だった我が家が、その時に食べさせていたもの
去勢前
※商品名をクリックすると公式HPへとびます
去勢後
※商品名をクリックすると公式HPへとびます
現時点では、うちの子はアカナが好きみたいです。2024.11.02
【ステップ2】総合栄養食を選ぶ
毎日食べる、主食となるフードは、パッケージをよく確認して、総合栄養食を選んであげてください。
ドライフードのパッケージを見ると、大半は裏面に『総合栄養食』や『一般食』と書かれています。
ドライフードの多くは総合栄養食が多いとは思いますが、ウエットフードの場合は、一般食が多くありますので、よくご確認くださいね。
ちなみに、フードには以下のようなカテゴライズがありますので、ご参考にどうぞ。
カテゴリー | 特徴 | 例 |
総合栄養食 | 必要な栄養素がバランスよく含まれている これだけで猫の栄養が完全にまかなえるフード | ドライフード ウェットフード |
一般食 | 必要な栄養バランスは整っていない おやつや食事の補助として使うフード 嗜好性の高く食事のバリエーションとして使用 | レトルトパウチ トッピング 缶詰のデザート |
療法食 | 特定の健康状態や病気に対応するために使用 獣医師の指導のもとで与えるフード | 腎臓ケア アレルギー対応 |
おやつ | 栄養バランスは考慮されていない 猫の楽しみやご褒美として与える少量のフード | クッキー おやつ用スティック |
トッピング | 嗜好性を高めるために主食に混ぜて使用 食欲が低下している時など興味を引くために使う | レトルトのスープ フリーズドライの肉 |
自家製 | 栄養バランスを保つのが難しい 飼い主が自宅で調理したフード |
8割〜9割を総合栄養食で与えることをベースにして、その他は、美味しい一般食やおやつも上手に活用していくのが目安となります。
1日の摂取量の8割以上は総合栄養食 一般食やおやつは残りの1〜2割内に収める
【ステップ3】第1原料に具体的なタンパク質名がある
フードの原材料の一番最初に書いてあるものを見てみましょう。
猫は肉食動物なので、フードの第1種原料は良質なタンパク質が好ましいですね。
「〜肉」や「〜魚」など最初に表示されているフードを選ぶ
チキン、やサーモンなど具体的な肉や魚の名前が書かれていると良質なタンパク質源である可能性が高いですよ。特にこだわり屋さんのフードでは「新鮮なチキン」など、前置きがあるものもあります。
さらに、タンパク質が30%以上のものを目安に選ぶと尚ヨシです。
一方で、次段にもつながることでもありますが、
「穀物」が原料の一番最初に書かれている場合は避ける
糖質が多いフードの多くはお値段お手頃なんですけどねぇ〜・・・・
穀物少なめがよい選択かと思います。
糖質量は30%以下のものを選ぶ
猫は本来、炭水化物(糖質)を効率的に消化・代謝する能力が低いので、糖質の多いフードを避けてあげましょう。
どうやら、過去の研究では、糖質30%のフードで食後の血糖値に変化がなく、糖質40%で血糖値が上昇するとの報告があったそうです。
ここから、糖質30%以下のフードを推奨することが通説とされています。
ただし、糖質については、フードのパッケージには記載がありません。
飼い主さんが自分で計算する必要があるのですよね。
そうは言っても、計算は簡単!!
以下を参考に、スマホ電卓でポチポチっと計算するだけです。
100%−(タンパク質%+脂質%+粗繊維%+灰分%+水分%)=糖質%
黄色マーカーの「たんぱく質」「脂質」「粗繊維」「灰分」「水分」はフードパッケージに記載がありますので、それらの数字を100から引いてあげれば、おおよその糖質の目安がわかります。
右の画像で言えば
たんぱく質37%+脂肪18%+繊維3%+水分10%+灰分9%=77%
100%ー77%=23%
これでだいたいの目安がつきます。
\23%なので、このフードは30%以下で合格!!!/
じゃあ、糖質使わずにフードは作れないの?
一般的にドライフードの製造過程において、「つなぎ」としてデンプンが必要となります
そのため、多くのドライフードでは食物のデンプン質(糖質)がよく使用されているのですよね
ドライフードに「つなぎ」として使われるもの
項目 | 特徴 |
コーンスターチ トウモロコシ | フードの形状の保持として使用 比較的安価で入手しやすい材料 一般的なつなぎ成分として使われる |
ジャガイモ サツマイモ粉 | フードの形状保持に使用 穀物の代替品として用いることがある |
米粉 タピオカ粉 | グレインフリー(穀物不使用)のドライフードで使われることが多い これらもデンプンを多く含むため、つなぎの役割を果たす |
小麦粉 小麦グルテン | たんぱく質の一種のグルテン 粘りと弾力を生み出すためフードの形状保持に使われる |
エアフリーズドライなど、製法の工夫によって、糖質が低いフードもあります。
どうしても糖質がイヤ!という場合は、こういった選択肢もありますね。(お高いけど)
着色料を避けて選ぶ
人の食べ物を選ぶ時と一緒ですね!
青色1号、赤色3号、赤色102号、黄色4号、黄色5号、二酸化チタン、など着色料は本来食べ物にはいらないものです。
特に、猫ちゃんのお目目は赤い色をほとんど認識できないので、一般的に「美味しそう」と錯覚できそうな赤色色素は不要なんですよね。
体にいいご飯にカラフルな色合いは不要
その他、必要以上な保存料も避けていくのがいいのですが、ここまでのチェックを潜り抜けてきたドライフードは、おそらく不必要料の保存料も入れていないことが多いかと思います。
よって、保存料については割愛しますね。
全てをクリアすることは難しいのですが、猫ちゃんの食の好みと健康、そして飼い主のお財布事情と照らし合わせて選んでみてください!
だまされないで 無添加=添加物不使用 ではありません
一部の添加物を使っていないだけで、無添加と名乗ることができるって知っていましたか?
【保存料、合成酸化防止剤、着色料を使用していません】と書いてあっても酸味料やナチュラルフレーバーなどの添加物は入っていることも多々。
無添加という言葉に踊らされないように注意!
ドライフードに添加物は必要なものもあります。
なぜかというと、猫は酸味が好きなんです。
理由は諸説あるようですが、一説には獲物となる筋肉に含まれるリン酸だったり、追いかけ回した獲物の筋肉に溜まった乳酸だったりを好むからと言われているからなんです。
だから、一定の添加物には、猫ちゃんの食欲をそそる役割を果たしているものもあります。
一概に、悪者扱いもできませんね。
【その他】AAFCOやFEDIAFの基準を満たしているか
フードのパッケージに、AAFCOやFEDIAFの栄養基準を満たしている旨の表記があれば、栄養バランスが取れていると考えられます。
AAFCO(米国飼料検査官協会) この基準を満たすペットフードは「栄養バランスが取れている」とみなされ、信頼性が高いとされています。ペットフードが犬や猫のライフステージ(成長期、維持期など)に応じた栄養バランスを持つかを評価する指標となります
FEDIAF(欧州ペットフード工業会連合) ペットフードの栄養ガイドラインや安全基準の制定、業界の利益擁護を行っています。EU内で流通するペットフードはFEDIAFのガイドラインに準拠することが推奨されており、特に安全性や栄養価において高い基準を持っています。猫や犬の年齢、活動レベル、健康状態に応じた栄養基準を提供している
子猫、成猫、シニア猫それぞれに適した栄養バランスが異なります。
猫のライフステージや健康状態に合ったものを選ぶために、これらの指標が便利になることもありますね。
【最後に】カロリーもフード選びに大事だってことはお忘れ無く
猫ちゃんの健康のためには、やせすぎず、太りすぎずが大事。
そのためにも、定期的な体重測定が必要です。
その上で、もしも体重が痩せすぎ or 太り過ぎかもしれないと思ったら、フードの量ではなくカロリーで調整してみてはいかがでしょうか?
ドライフードの平均 370kcal/100g
とすると、お手持ちのフードのカロリーはどのくらいでしょうか?
痩せているときには、高カロリーの商品を選ぶ(目安は400kcal/100g)
高カロリーフードについては別にまとめておりますので、以下をご参考に。
ダイエットしたいときには低カロリーのものを選ぶ(目安は330kcal/100g)
どんなフードでも美味しいうちに食べ切りましょう
ここまでしっかり読んで、考えて選んだフード、美味しいと評判のフード。
どんなフードでも、開封後から質の劣化が始まってしまいます。
お得だからといって大容量パックを買わずに、たとえ割高であっても適切な量で購入するのがおすすめです。
そうすることで、猫ちゃんが最後まで食べ切ってくれるので捨てるフードロスが防げますしね。
目安としては、開封後2週間をすぎたあたりから食いつきが悪くなっている場合、フードの好き嫌いではなく、劣化による味落ちが原因の場合もあります。
200g小分けパックがある商品はありがたいですね。
美味しく食べるためにも【開封後1ヶ月】で食べ切れる量にしましょう
今回は、【初心者向けドライフードの選び方】をお届けしました。