室内にいる猫には関係ない
意外にも、そう考えている飼い主さんが多いという事実。
「ネコは人間より体温が高いから、お留守番中はエアコンいらないでしょ?」
「お留守番中でも、扇風機回しているから大丈夫」
そんなわけがありません。30度を超える部屋にいれば誰でもそのリスクがあるんです。
もちろん、それ以下の室温でも湿度によって熱中症のリスクはあり、湿度が高い時期はリスクが高いと言われています。なんと6月でも熱中症で病院に運ばれるねこちゃんもいるのだとか。
暑さ指数(WBGT)について学ぼう 環境省HP
人と違って、猫は扇風機など風で体温調節することが苦手です。
そのため、空気そのものを冷やすことができるエアコンを使うことが熱中症対策として重要となります。
大事な猫ちゃんの体調、守ってあげたいですね
猫の熱中症の症状は何?病院にすぐ行った方がいいのはどんな時?
私は医療関係者ではありません。以下の内容は、獣医師やブリーダーさんが発信されている情報を集めた内容となっております。ご承知おき願います。
症状
歩いている時のふらつき、立ちくらみに似たようなよろめき、ぐったり感、よだれが出る、嘔吐、過度なハァハァ、呼吸が荒い(パンティング)、心臓ドキドキ、反応が鈍い(声かけ)
これらの症状が出たらすぐに病院へ
ぐったりしているの?ただ寝ているだけなの?
判断できないときは以下のことをしてみて反応を伺ってください
ぐったりなのか、寝てるのか区別つかないときは、以下のことをしてみてはどうでしょう。
- 猫がうざがることをしてみる
- 大好きなおやつをあげてみる(ちゅーるなど)
普段なら、反応するはずの行為に対して、反応してくれない。その時はただ寝ているだけとは言えないはずです。
人間相手のように身体を触って熱がこもっているかどうかを確認することは、猫に対しては難しいそうであまりアテにはなりません。
素人でもわかりやすそうな部位としては耳。
耳をさわってみて熱かったら即病院のサインです。
家庭でできる応急処置をネットで調べてる時間があったら病院に即電話してほしいと獣医師の先生はおっしゃっていました。
そして、病院に向かうまでの応急処置は、その獣医師の指示に従うこと。
体温が上がりすぎるのを抑えるために濡れたタオルで巻いてあげる方法もあるそうですが、それをするべきか否かも踏まえて、まずは病院に聞いてその通りに対応してください。
熱中症のリスクは6月から
一般的に、人間がエアコンをつけ始めるのが7月。
そのため、エアコンなしで過ごしているであろう6月はすでに熱中症のリスクが増しているそうですので、みなさまお気をつけてくださいね。
猫が熱中症になりやすい要因
体温を下げる術がないから
人は暑いと汗をかいて熱を逃します。そして、同時に気化熱を利用して涼しさを感じることができます。
一方で、猫はほとんど汗をかかないのです。なんと、汗をかける汗腺を持つのは鼻と肉球のみ。
この汗をかけない(気化熱を利用できない)という大前提のもとで考えると、人間と猫の暑さ対策が変わってしまうことが納得できるかと思います。
また、犬はハァハァ(パンティング)をすることでで体温を下げられるのですが、猫はそれができない。ここにも犬と猫の体温の下げ方の違いがあります。
猫は体温を下げる方法が少ない
もし、猫がパンティングしているとしたら、緊急性が高い状態。すぐに病院です!
毛皮のコートを着ているから
猫はとにかく毛量が多いんです。
一般に、人間は1つの毛穴から毛が2〜3本、犬は6〜7本生えていると言われています。
一方で、猫は1つの毛穴から15本くらい生えているんですって!まさしく毛皮のコートを着ている状態。
汗がかけない身体なのに、厚着をしている状態ってことなんですね、猫って・・・
そんな猫が体温を下げる方法
- 冷たいものに触れる(床・空気)
- 冷たいものを取り込む(お水・空気)
前述したように、猫は汗をかかないことが大前提なので、人間のように扇風機の風にあたって涼むということは望めません。単に熱風を浴びているだけになってしまいます。
空気そのものを冷やす
ということが大事になってきます
熱中症対策は何をすればいい?
熱中症対策は「冷たいもの(空気)を用意」「移動可能な環境」この2つを抑えること
猫の体温調節について知ろう
1)“伝導”による冷却
冷たいものを触って体の熱を逃す、というのがこれ。
ひんやりした床に寝る、冷たいお水を飲む、もこれに入ります。
2)”対流”による冷却
体の周りを冷たい空気が通ることで熱を逃している、というのがこれ。
クーラーでお部屋の空気を下げることがこれに入ります。
エアコンを使わずに、室温が高いまま扇風機を回すと、単に熱風を浴びているだけ。扇風機のみの熱中症対策はNGをいわれる理由となります。
暖かい空気が身体の周りを通っても自分は冷たくならないですからね。
3)”気化”による冷却
水は蒸発する時に熱を奪っていきますよね。これが気化。
人間は汗をかいているときに扇風機にあたると涼しいと感じることができます。たとえその風が暖かい空気であっても涼しく感じるのはこの気化熱のおかげ。
ですが、人間と違って基本的に猫は汗をかかないので気化による冷却は期待できません。
4)”放射”による冷却
人間も含めて動物は、常に熱を電磁波として身体から逃がしています。ただし、これは周りが涼しくないとダメなんです。熱は暑い空気に逃すことはできませんものね。
なので、放射によって熱を逃すことができるもの周りの空気が冷たいということが大前提です。
猫が体の熱を逃すには冷たいものにと冷たい空気が必要 =猫が移動できる環境が大事
室内温度の適温を知ろう
猫が過ごしやすいとされている適温は27〜28度といわれています。
人間の平熱は36度ちょっと。猫は38度前後。
このように考えると、人間の適温+1度くらいが室温の目安になるのではないでしょうか?
飼い主も猫ちゃんも快適に過ごせるエアコンの設定温度は24〜27度が目安と言われています。
「抜け毛をためないこと」もお忘れなく!
暑さ対策というと、つい冷やす方向に考えが向いてしまいます。
でもちょっと、待って!
室温猫ちゃんに必要非常に熱がこもらないよう、暑くならないように対策するのが第一歩!
スリッカーブラシとコームを使って抜け毛の処理をしましょう
室温を大事ですが、猫ちゃん自身の毛皮のコートをすっきりさせてあげましょう。
つまり、「抜け毛の処理」
スリッカーブラシやコームでのブラッシングをお忘れなく。
可能であれば、シャンプーをして余計な冬毛をすっきりさせてあげるという方法も効果的。
シャンプーしてくれない猫ちゃんに試して欲しいのが、ドライシャンプー
注意)毛のもつれのある部分にドライシャンプーをつけると、毛玉がより頑丈なものになってしまいます。まずは、ブラッシングしてから使用しましょう。
水分補給はもちろん大事
動いている水をあげると飲んでくれる?
猫は本能的に動いている水が好きと言われていますね。飲んでもらうために自動給水機を使うのも手。
ただ、購入するときには水量が見える透明タンクを選んであげると、タンク内の汚れも見えるので衛生面でいいでしょう。
水の温度は常温で大丈夫。冷たすぎるお水も好きではないみたい。
(どうやら、冬に水を飲まなくなるのは、水が冷たいからという説もあるようですよ)。
ちなみに、我が家は部屋の角に置いた陶器製の食器にある水を好んで飲みます。いろんな猫ちゃんがいるってことで。
ウエットフードを活用する
ドライフードと混ぜてもOK。ウエットフードを併用するだけで一気に水分摂取量が増えます。
1日1食、取り入れてみてはいかがでしょう?
ただし、ウエットは腐りやすいため、食べ残しがあっても2時間で下げるように気をつけてください。
残してしまう猫ちゃんには、ウエットフードは水分補給のためと割り切って活用する。
その時にすぐ食べる分だけ出してあげる、残りは冷蔵庫で保管。時間をあけてまたあげる。
そういった工夫してみるのもおすすめです。
また、ちゅーるなどのペースト状のおやつをあげてみるのもいいかもしれません。
涼める場所を確保する
エアコンで適温にした。
定期的なブラッシングで毛皮のコートをすっきりさせた。
適度に水分補給をさせている。
そのあとで、飼い主ができることは、猫自身が自由に移動できるようにしてあげる。ということのみ。
暖かくなりたいときも、涼みたい時も、それぞれの細かい調整は、猫自身がしてくれます。
夏用のベッドでひんやり気持ちよく
猫ちゃん自身が自分の適温に移動する。猫ベッドも接触冷感の冷たいベッドにしてあげるのも喜ばれますよ。
猫ベッドを選ぶ時には、裏面に滑り止めがついている商品かどうかをよくご確認を。
番外編
サマーカットってどうなの?
皮膚がみえるほどに刈り取るのはやめた方がいいようです。毛も役割があるから生えているのであって、それを刈り取る行為はデメリットが増してしまいます。
具体的には、紫外線の刺激を浴び過ぎることによる害。皮膚が傷つきやすくなったり、皮膚病、がんのリスクも。そもそも毛を刈られることに猫自身がストレスになるかもしれないのでよくお考えを。
もしやるなら、丸刈りにならないように毛を残す形で。
熱中症になりやすい猫
鼻ぺちゃ猫(ペルシャ・エキゾヒックショートヘアなど)
呼吸の空気は結構熱いんです。
ご自身でも、自分の顔を手で覆って呼吸してみてください。自分の息ってモワっとしていませんか?
鼻ペチャ種は常にこの状態で息をしているような状態です。呼吸しにくく、熱を逃がしにくいお顔。
長毛種(ノルウェージャン・メインクーン・サイベリアンなど)
毛皮のコートが厚いのでね・・・・・。
もしシャンプーができる子なら、してあげてしっかり余分な毛を処理してあげるといいようです。
黒猫・子猫・老猫
熱を吸収しやすい黒猫ちゃん
身体がまだ不安定な子猫ちゃん
体力的に十分でない老猫ちゃん
それぞれの特徴はみなさんも想像の通りだと思います。
お部屋の中で快適に過ごせる場所を確保してあげてください