
「もう、壁がボロボロ…」
「ソファの角をガリガリされて困ってる…」
猫と暮らしている方なら、一度は経験する「爪とぎ問題」。
「やめて!」と叫びたくなる気持ち、よ〜くわかります。
ですが、猫にとって爪とぎは本能的な行動。
「しつけでやめさせる」のではなく、うまく付き合う工夫が大切です。
この記事では
をご紹介します。
それでは、いってみましょー!!!
猫が爪とぎをする4つの理由

1.武器である爪のお手入れ

猫の爪は玉ねぎのような構造で、古い爪を外すことで常に鋭く保たれています。
つまり「とぐ」とは、包丁を研ぐのと同じく、武器のメンテナンスなのです。猫の爪は人間や犬とは違って、右図のような玉ねぎ構造
古い爪が外側。その外側の古い爪を剥がしとっているのが爪とぎなんです。
画像:あい病院 院長の日記「ニャンコの爪」よりお借りしております
2.なわばり・マーキング
猫の肉球には強いニオイを放つ臭腺(しゅうせん)があり、においをつけて自分の縄張りを主張します。
壁や柱などの垂直な場所で背伸びして爪をとぐのは、「自分は大きくて強いぞ」というアピールでもあります。
3.リラックス・気分転換
寝起き、遊びの途中、来客の後など、猫が気持ちを切り替えたいときに爪とぎをすることがあります。
ストレス発散や気持ちの整理としても使われている行動です。
来客などでストレスを感じたときや、寝起きなどに、気分を切り替えるために爪とぎをすることも。遊んでいてうまくいかないときなどに、突然爪とぎを始めるのも、気分を変えて気持ちを落ち着かせるために行っていると考えられます。
4.かまってアピール
飼い主さんの目の前でわざと爪とぎをする猫ちゃんもいますよね。
これは「遊んで〜」「かまって〜」という自己主張のサインかもしれません。
そんなときは、好きなおもちゃでたっぷり遊んであげましょう。
爪とぎのしつけは“やめさせる”ではなく“導く”

爪とぎは「問題行動」ではなく、猫の自然な欲求です。
そのため、してもいい場所で満足してもらう工夫が重要。
子ねこのうちからのしつけが◎

生後2ヶ月くらいから爪とぎを始める子が多いです。
猫用爪とぎを用意し、優しく手を取って表面をひっかくように教えてあげましょう。
子ねこの前足を優しく持って、爪とぎの表面をひっかくように動かしてあげると、そのうち自分でできるようになります。
上手にとげたら、たくさん褒めてあげましょう。もし、他の場所でとぎそうになったら、そっと抱きかかえて爪とぎに連れていきます。最初のうちは、マタタビやキャットニップで誘導しても〇。
※くれぐれも叱らず、怒鳴らず、怖がらせないように!
爪とぎは止めさせるのではなく、「してもいいよ」という場所でだけするように導いてあげるのが基本です。生後2ヵ月頃になり、爪とぎをし始めたら猫用の爪とぎを用意しましょう。
家具や壁を守る3つの工夫
① 素材は“好みに合わせて”選ぶ
猫によって、ダンボール、麻、カーペットなど好みが異なります。
特に縦型が好きな子には柱型や壁面タイプがおすすめ。
個人的なおすすめは麻紐タイプで、縦型
② とぎたがる場所に設置する
爪とぎの多くは「通り道」「目立つ場所」で行われます。
といでほしくない場所の前に、“ここならOK”な爪とぎを置くのがポイント。
③ 数を増やす&消耗品は定期交換
猫は縄張り意識が強く、部屋ごとにマーキングしたい子も。
複数個所に設置することで、余計な被害が防げます。
ただし、至る所に爪とぎを設置してしまうと、「家中どこでも爪とぎしていい」と勘違いさせてしまう場合もあります。
どこもかしこも、ではなく、ここで爪とぎするんだよ!とわかるようにメリハリつけて設置してくださいね。
おすすめの爪とぎアイテム3選
カリカリーナ(おしゃれ&高級感)
ダンボール素材なのに、ソファのようなおしゃれデザイン。
リビングに出しっぱなしでも違和感ゼロ。インテリア派の方におすすめ!
麻縄タイプのポール型
立ってとぐのが好きな猫にぴったり。
ケージやサークルにも取り付けられるタイプなら、スペースも節約できます。
子猫時代を過ごすキャットサークルにつけておくことをおすすめしますよ。
と、いうのも、将来的にサークルとお部屋を行き来できる生活になったときに、自分からサークルに戻って、このポールで爪研ぎをしてくれるようになるんです。
家具が心配な人はすぐにとりつけてみては?!
壁保護シート+壁面爪とぎボード
どうしても壁が心配な方にはこれ。
爪とぎ防止シートで壁を守りつつ、猫がとぎたい欲求も満たせます。
猫の爪とぎと、うまく付き合おう

猫の爪とぎは、「健康・安心・自己表現」のための大切な行動。
私たち飼い主ができるのは、それを否定することではなく、受け入れることではないでしょうか。
ちょっとした工夫で、壁や家具を守りながら猫の本能も満たせる環境は作れます。
「とがせてあげることで守る」──そんな視点で、一緒に暮らしを見直してみませんか?